mikotohodo-三言ほど-

くだらない雑談と小さな情報を日常に

10月12日の避難所生活


10月13日 午前2時30分、帰宅。

別行動をしていた家族が先に帰っていた。

今までうちに半居候をしていた友人の子供『チビ』の事をチビと言ってたけど、もうチビって年齢でもないのでブログでは『長女』と言い表わす事にした。


10月11日 午前。少し遠くに住んでいる母親から怒涛のメールがあった。メール一件でも憂鬱なのに二件くれば一大事であり、五件くれば地獄である。


この記事は避難所生活に役立つものではないです。ただのポエミーです。

『避難しなさい』

正直、「このクソババアは家で避難することも許さないのか」と思ったのだけど、そこは既に心が折れそうで折れてない大人としてはたまにはこのクソババアのやってほしい事をして、それで満足をするのならこれも親孝行になるのかな、そんな事を前世紀を含む今世紀で初めて思った。


ホテルに行こうか、ホテルに行こうか、ホテルに行こうか。深夜から僕は部屋に空きがあるホテルを探していた。が、そんな事をしている時に友人からLINEがあり、状況がひどくなったら避難所で集まろうかと言う。

それも良いと思い、とりあえず状況次第では10月12日のお昼頃まで仕事をしたかったので彼女と長女とその母親を高層に住んでいる友人宅に向かわせた。


10月12日 午後1時。外ではアナウンスカーが「避難をしてください」のような事を言っている。

「はいはいはい」と思い、靴下、ジャージ、ゴミ袋、バファリン、タオル、飲み物、食料(フルグラとか)、モバイルバッテリーを適当にバックパックに詰めて出陣した。

外に出ると、風邪は強かったり弱かったり、歩いて移動するには多少の難があるくらいで問題無くとある場所にある避難所についた。


避難所

さて、目の前にまだ脅威が見えていない。では何をするのかと。それは『待機』だ。

後ろでは国籍の分からない方達がまるでピクニックに来たかのようなテンションで喋り散らかし、その隣のまた国籍の分からない恋人達が 午後2時の避難所で何かを「あ~ん」している。そして僕達の横にはまたまた国籍の分からない方がスマホを見ながら一人笑いしている。そして反対側の隣には何故かほんと何故かこんな中にすっげー雰囲気美女がいた。


避難所の中を偵察すると、中高生あたりが友人達と楽しそうにしている面もあれば不満そうな顔をしている面もあった。それはそれで良かった。一大事になるか、ならないかの中で、そこにはたぶん見ようによっては普段の人の顔が少しあったからだ。

避難している中にはもちろん小さい子もいる。見た所小学生未満ってところだ。

さて、小学生未満がこのような状況で友達と外で会うとどうなるか分かるだろうか。


推定午後2時から午後9時までテンション爆上げである

注意しない親も親だ。少し前にいるひとつの家族の中のおばあちゃんもこれには苦笑いをしていた。

隣にいた雰囲気美女は態度に表さなかったが、怒りのオーラに包まれていた。


あかちゃんの面倒をみているお父さんやお母さんも当たり前の話、いた。

幸い、この避難所ではケンカもなく、とりあえず一大事というイベントで「場で起こる多少の何かは仕方ない」が通じていたようだ。




仕方ない

仕方がない(しかたがない)は、理不尽な困難や悲劇に見舞われたり、避けられない事態に直面したりしたさいに、粛々とその状況を受け入れながら発する日本語の慣用句。 ほぼ同義の表現として、仕方ない(しかたない)、仕様がない(しようがない)、止むを得ない(やむをえない)などがある。
仕方がない - Wikipedia

避けられない事態を僕達はそれをきちんと受け入れる事ができる。

そりゃあ多少は『推定午後2時から午後9時までテンション爆上げである』子供達に「たくっ…うるせーな」と口にした大人もいた。

それでも何だかんだ仕方ないを「しゃーない」で気を収めている大人達だった。

混み合ったどこかに赤子と母。たびたび話題にあがる『あかちゃんの泣き散らし VS うるせんだよ』も、赤子の「避けられない事態」と解釈し、その中で『とんでもなく、ろくでもなく、おろかもの』でも、グッと怒鳴る気持ちを抑えたなら、どんな愚か者であっても、たとえ誰かに気付かれなくてもヒーローなのではと思う。


10月12日 午後10時30分。先程まで勢いが強かった風が止み、気象庁の台風情報を見てみると台風は東京をど真ん中に置いている。Twitterを見ると吹き返しに注意してと皆が言っている。そりゃそうだと思い周りを見ると皆帰る準備をしている。

10月13日 午前1時30分。まったく吹き返す気配がない。知らぬ間に台風は僕が住む地域を去っていたようだった。

10月13日 午前2時30分。帰宅。そしてエリアメール。


氾濫。


とりあえず次に避難するなら自宅から徒歩1分のマンション11階に住んでいる友人のところにでも行こうと思い『あんドーナツ』を食べて、ほんの少しの間、Twitterで戯れて寝た。


僕はミスをした。

避難所でスマホの充電が30%ほどになり、モバイルバッテリーを使い充電しようとしたところ、僕が持ってきたスマホはandroidだった。

手にしているのは昔つかっていたiOS用のケーブルで、僕はそっと戻したのです。

朝になり、帰ってきた時にテーブルの上に置いた災害救助用のクラッカーを長女がバリバリと食べている。


「おやつにして食べるんじゃない」と、ちょっぴり叱ろうと思ったけど、無事であって、元気な姿を見ると、これはこれで『親孝行』ならぬ『大人孝行』であって、母に送った「とりあえずは無事に帰ってきたよ」というメールの返信に「よかったね」という言葉を貰い、こんなのでもほんの小さな親孝行ができなのかなと思う。


ところで僕は避難所で困っている人がもしいたら、手を差し伸べようと思っていた。それは友人とも話をしていた事だった。特にターゲットにしていたのは「おじいちゃん、おばあちゃん」だった。

僕達が待機していた所の少し前に一つの家族がいて、雨や風が少し落ち着くと母親が素早く買い出しに出ているようだった。子供達は友達とわいわいやっている。その家族の中にいる先ほどテンション爆上げで暴れ狂う子供達に苦笑いをしていた『おばあちゃん』


とても毅然としていた。僕のミスとは、手を差し伸べよう・助けるべき、という奢った態度に足元を救われ、更に自身が足を引っ張り助けられる側になる可能性を考えていなかった事だ。


さて、次の為に準備をしようと思う。そして事情によって働く方々には、ありがとうと言いたい。


ひとつあとがき。

少し大きめなバックパックを抱えている人がいて、そのバックパックを開けると荷物が入っているもう一つバックパックが出てきた。薄くたためるものがあればそりゃあ最良なんだろうけど、今ある物を便利にいかに多様するかの方法なんだなと素人の僕はとても感動した。

その様子を一緒に見ていた隣にいる雰囲気美女は「そんな事で感動してんじゃねーよ」と言いたそうな顔をしながら僕があげたフルグラをぼりぼりと食べていた。